- Good Quality -
一般的には白のイメージが強いダリオ・プリンチッチですが、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローという、モノセパージュの赤ワインも手掛けています(ブレンドのヴィーノ・ロッソも限定アイテムとしてあり)。
かなり長期間の熟成を経ていますが、実際には驚くほどの若さとエネルギーを兼ね備えています。柔らかい鉛筆系の香りが広がり、口中を乾いたタンニンが締め付けますが、酸はやや退廃的で、果実味も凝縮した甘みを感じるものの、適度な熟成感を持った熟れた資質を有しています。各要素のコントラストも高く、若さと古さを同時に兼ね備えたような、ある種リコルク系のような表情なのが印象的です。
ダリオ・プリンチッチの赤は、「非常に古いヴィンテージが現行ヴィンテージ」という独特の立ち位置となっていますが、この若さと古さの折衷といった側面がひとつの基点とも言えるので、現実的には、各要素が馴染み打ち解けるまで更に数年程度熟成させた方が良いのかもしれません。ともかく、ピノ的な優しさを持っていた2001年とは大きく異なり、カベルネらしいしっかりとした酒質を持った良質なスタイルへと歩を進めているので、機会があれば是非試してもらいたいところではあります。
(2016/03)