- Good Quality -
ニュイ・サン・ジョルジュに居を構えるブルゴーニュの名門「リジェ・ベレール家」のティボーが、ボジョレーで2009年に始めた新しいプロジェクトがこのシリーズ。このレ・ヴィエイユ・ヴィーニュの他にも、レ・ルショー、ラ・ロッシュ、レ・ヴィーニュ・ソントネールといった複数のキュヴェをリリースしています。このレ・ヴィエイユ・ヴィーニュは、斜面の中腹にある5区画の葡萄のブレンドで造られ、樹齢は60〜80年という古木になります。
一般的なガメイとはかなり異なる表情を持ち、その品位と表情はピノ・ノワールにより近い傾向にありますが、その内に秘める個性と意思には、更なる固有の指向性が垣間見れます。いずれにせよ、ボジョレーのイメージを大きく覆すほどのポテンシャルを誇るので、ブラインドで飲むとかなりの驚きを覚えそうです。
ヴィンテージの影響もあるのか、基本的には酸がしっかりとした傾向にあり、ボリュームを感じるようなタイプではないものの、明確に骨格を持っているのが非常に印象的で、抜栓直後は多少軋む傾向にはあるものの、時間とともに徐々に熟れていくので尻上がりに印象が良くなっていきます。コアには思った以上に果実の密度や凝縮感があり、オレンジピールのようなほろ苦いシトラス要素が程よいアクセントになるので、各要素におけるポテンシャル要素に関しては十分なものがあります。
素直に味覚に訴えかけるような系譜ではありませんが、これまでに試飲したボジョレーとしてはトップクラスの構成力を有しているのは間違い無く、将来が非常に楽しみな一本だと言えそうです(まだまだ熟成しそう)。
(2016/01)