- Good Quality -
50年以上の年月が経過していますが、思いの外ラベルなどの見た目が綺麗で、実際に使用されているコルクに関しても、ある程度の年月は感じられるものの、さすがに50年も経過したような状態ではありません。むしろ、いたってしっかりとした物だったので、もしかするといずれかの時点でリコルクされているのかもしれません(コルクは生産者の刻印入り)。
色調はかなり濃い目でしっかりし、ネッビオーロ系のオレンジがかった様子はほとんど見られません。シェリー系の酸化風味は感じられるものの、同じ1964年のボルゴーニョのバローロほどの極端な風味ではなく、ひとつの構成要素として許容できる範囲内に収まってくれているような印象ではあります(とはいえ決してポジティブな風味ではない)。
思った以上にしっかりとした酒質ということや、底の方になると果実感も現れることなど、表面上の熟成感とは裏腹に、意外な若返り系要素を感じます。全体像としては程よく纏まってはいるものの、根本的な訴求力はあまり高くないので、価格を考えると積極的に試す価値はあまりないのかもしれません。
(2016/01)