- Very Good Quality -
1997年がファースト・ヴィンテージとなる、ジャキーニのクリュの古木から造られる偉大なバローロ「ヴェッキエ・ヴィーニェ」です。1997年はワイナートで99点という脅威の評価を受け、堂々の第一位を獲得しています。
コリーノらしい葡萄の熟度が重視されたようなスタイルは継承していますが、熟成期間を長めにとってからの試飲となった今回は、屈強なタンニンによる迫力や荒々しさが、必要以上に目立つことはありませんでした。とはいえ、相変わらずバローロらしからぬ過熟感があり、その指向性は所謂「重厚凝縮系」となりますが、全体を通じて各要素がそれぞれに主張し、エネルギー量も要素ごとに差異があるので、正直なところバランス面にやや難がある印象です。ただ、多少ちぐはぐであっても、その凝縮した密度と純然たるエネルギー総量には一定の評価ができるレベルなので、この突き抜けた指向性はポジティブに受け取りたいところでもあります。
抜栓から3日ほど経過させると、各要素が適度に熟れることで少しバランス面が改善される傾向にあります(結果論的な変化ではありますが)。過熟果実と強固なタンニンのバランスさえ取れる状態になれば、思いの外良好な表情を見せてくれるので、運が良ければ(ボトルの状態が良ければ)、価格に見合うだけの内容は披露してくれるかもしれません。
(2016/01)