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マゾワイエール・シャンベルタンに隣接するグラン・クリュですが、元々が同一栽培区画ということもあり(リュー・ディとしてはオー・シャルムとマゾワイエール・ウ・シャルムに別れる)、ほとんどのマゾワイエールは単純にシャルムとして出荷されています。カミュについてはシャルムとマゾワイエールを分けて造っているので、両者のテロワールの違いを知りたい場合に最適だと言えそうです。
ヴィンテージは異なりますが、同じカミュのマゾワイエールとはまた違った指向性を兼ね備えているのが印象的です。シャルムは柔らかい資質ながらも、よりボリュームある体躯を持ち、果実味は一歩奥に下がったところに位置しています。相対的にはポテンシャル系(若干陰な傾向)の要素が強めで、現状でも抜栓後翌日以降の方が明確な表情を打ち出す傾向にあります。酸や果実に若干退廃的な資質が垣間見られますが、特にネガティブな指向性ではないのでそう問題にはならないと思います。マゾワイエールに感じられた甘旨味はかなり控えめですが、抜栓数日でじわじわと表出する傾向にあったので、決して内包していないわけではありません(要はバランスの問題)。
直接的な比較した場合は、2000年のマゾワイエールの方がわかりやすい魅力を有しているのでお薦めしやすいのですが、このシャルムも全要素の総量としては同等の水準にあるので、最終的には飲み手の好みの差によって吸収できる範囲と言えるかもしれません。
(2015/01)