- Very Good Quality -
モンテプルチアーノやトレッビアーノの真のポテンシャルを世に知らしめた、アブルッツォを代表する造り手「マシャレッリ」。そんな彼が奥さんの名前を名付けた新たなカンティーナを立ち上げ、2003年がファーストヴィンテージとなる、モンテプルチアーノ100%で造られるワインがこの「イスクラ」です。この2005年からは、本家マシャレッリの「マリナ・ツヴェティッチ」シリーズに組み込まれ、ラベルの変更とともに装いも新たなワインとして生まれ変わっています。
マシャレッリらしい濃縮感はありますが、サン・マルティーノ・ロッソや前年のイスクラで見られた、泥土的な食感や微細な顆粒感は特になく、比較的綺麗で流麗な質感となっています。また前年同様、その滑らかで角の取れたスタイルは、メルローを彷彿とさせる世界観でもあります。かなりアルコールが高いので、圧迫感や迫力があり、アフターによりその傾向が強くなるので、抜栓日はやや向き合いにくく、より飲み手の体力を消耗する傾向にあります。ただ、翌日に持ち越すとかなりの落ち着きが見られ、本来のポテンシャルをしっかり感じられる佇まいになるので、抜栓時間やデキャンタの使用など、サーブで工夫することである程度対応できそうです。
総じて10年経過したような印象はなく、エネルギッシュでパワー溢れる内容なので、その全容を解明するにはまだ多くの時間が必要かもしれません。
(2015/10)