- Very Good Quality -
1986年に叔父のドメーヌを引き継ぎ、そこから僅か10年程でローヌにおける白ワイン生産者としてトップクラスの評価を獲得したのが「イヴ・キュイユロン」。
畑は南と南東向きで、土壌は白雲母花崗岩、広さは4haで5パーセル。樽で発酵が行われ、熟成も樽(古樽)で9ヶ月間行われます。熟度の高いトロピカルな果実の甘み、刺激を伴う強靭な辛味、高いアルコール感、トロミのある粘性など、ヴィオニエの素性がストレートに表現された、エネルギーに満ち溢れた構成内容になっています。バランスの問題もあり、早く飲むべきとされるヴィオニエですが、このプティット・コートについても、やはり果実味を優先する場合においては3〜4年で飲むほうが良好な結果が得られるようです。ただし、その本質的なポテンシャルは十分なものを有しているので、エネルギーベースで鑑みた場合は、もう少し熟成させても面白いかもしれません。
現状でも、時間とともに表情とバランス感はかなり変化し、抜栓翌日以降に持ち越すことで良くも悪くも落ち着きを見せはじめますが、そういった変化も含めて興味深い資質を兼ね備えていると言えるので、良質なコンドリューを嗜みたい人にとっては丁度良いアイテムだと言えそうです。また、より生産本数が少なく、急斜面で造られるヴェルティージュとの飲み比べも、両者の指向性の違いによってかなり面白い結果が得られそうです。
(2015/07)