- Good Quality -
高品質なクオリティを誇るサンジョヴェーゼ・クローンの「ラモーレ」を長年栽培し続けていることで有名なポッジョ・スカレッテ。以前は「イル・カルボナイオーネ」というアイテムに注視し、基準に達しなかったワインはすべてネゴシアンに売却していましたが、より多くの要望に応える形で、2009年からこの「キャンティ・クラッシコ」がセカンドワインとしてのポジションを担うことになりました。
サンジョヴェーゼらしい、突き抜けるようなハイトーンな酸が印象的ですが、土台部分は思いの外しっかりとした充実感と果実の熟度が感じられ、現代的な水準でしっかりと各要素が内包されている傾向にあります。抜栓日はかなり「ヤンチャ」な指向性が強く、あちこちを飛び回る自由な立ち振る舞いがある種の微笑ましさを醸し出していますが、翌日に持ち越すことで、熟した果実から生じる適度なボリュームを持つ体躯内に収まり、大人への階段を歩みつつある姿が脳裏をよぎります。3日目にもなると、いたって落ち着き払い、柔らかい物腰から成るこなれた表情が色濃くなります(まるで人生のよう?)。
基本的には単体で飲む系譜にはなく、やはり料理と合わせることで本領を発揮するイタリアらし魅力を持つワインではありますが、ラモーレの持つ凝縮したサンジョヴェーゼの魅力を気軽に嗜むには丁度良いスタンスでもあるので、価格的な側面を考えるとお買い得度は高そうです。
(2015/07)