- Good Quality -
シャン・ガンは、シャサーニュ・モンラッシェの中腹に位置し、赤向けのクリマとして名高いラ・マルトロワに隣接する場所にあります。ギィ・アミオが所有する区画は、粘土石灰質で広さは0.4038ha。リュット・レゾネ、手摘みというこだわりのもと、平均樹齢40年のシャルドネから造られています。
相対的に、ギィ・アミオらしさよりもシャサーニュらしさがより前面に打ち出ている傾向にあり、酸やミネラルによる適度な引き締めが感じられる、プルミエ・クリュにふさわしい世界観となっています。遅摘由来のリッチさは感じられますが、他のギィ・アミオのアイテムとは異なり、ストレートな果実味としてではなく、より体躯の充実感に寄与している傾向にあるので、総じて好印象な傾向にあります。
すべてのギィ・アミオのアイテムに言えますが、全体的にピークが抜栓日寄りなこともあり、翌日以降は当初とはまた異なる表情が前面に出てきます。当初はレモン、グレープフルーツ系のシトラス風味が前面にありましたが、時間と共にそれらをリッチで濃厚な果実味が覆う傾向にあり、翌日以降になると「シャサーニュらしさ」よりも「ギィ・アミオらしさ」の方が強くなります。3日目になると更に変化し、辛味やアルコール感などが更に果実味を追い越していきます。これらを、大いなる多様性と可能性を兼ね備えていると捉えるか、はたまた玉石混交と捉えるかは人それぞれかもしれませんが、その表情の変遷とは裏腹に、パッケージングや全体的なバランスレベルはしっかりと維持されているので、個人的にはこの独自性をより前向きに捉えたいところではあります。
(2015/07)