- Good Quality -
ボジョレーという地で、20年前から古典的な有機農法や醸造を実践し続ける自然派の重鎮「マルセル・ラピエール(現在は奥様のマリーを中心にワイン造りを行っている)」のヌーヴォーですが、今回はあえて2年熟成させたヌーヴォーを通常のボジョレーと同時に試飲することにしました。基本的にはその年の解禁日(毎年11月の第三木曜日)に消費されることが多いヌーヴォー(新酒)ですが、今回はその熟成能力を測るために、あえて同年のボジョレーが出荷されるまで待ちました。
自然派ということもあってか、抜栓直後からナチュラルな佇まいで、キュートな果実味と甘みが前面に打ち出された、ポジティブな魅力を持つ表情を持っているのが印象的です。果実味が生きていることもあり、抜栓日に飲みきってしまうのであれば、2年程度の熟成であればさほど問題はなさそうです。ただし、果実味以外の要素には適度な熟成感があり、この熟成感(もはや退廃的な空気感)は通常のボジョレーには見られない要素でもあります。翌日以降に持ち越すと、かなり減衰して儚さを感じるようになるので、古酒好きな人でなければネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。
(2014/11)