- Good Quality -
カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネで世間から非常に高い評価を受ける「フォーマン」。そんなフォーマンを手掛ける「リック・フォーマン」と、そのパートナー「シェリル・エモロ」による、ピノ・ノワールのためのリミテッド・プロダクションがこの「ロッシ・ウォレス」です(二人の母親「アニー・ロッシ」「ロス・ウォレス」から命名)。
かなりしっかりとした堅牢性ある体躯に(やや収斂気味)、凝縮した熟度のある果実の甘味が感じられ、高めのアルコール感(14.6%)なども相まって、まさにニューワールド的なピノ・ノワールと言えるスタイルとなっていますが、それでも全体を引き締める明確な体躯を兼ね備えているが故に、思った以上のポテンシャルを有しているようにも感じられます。ただ、抜栓直後はかなり還元的で、落ち着きを取り戻すのにやや時間を必要とする傾向にあるので、今飲むのであれば抜栓翌日以降の方が無難かもしれません。
エレガントさとパワフルさの両方を兼ね備えた、ある種不思議なピノ像ではありますが、抜栓後3日程度ではびくともしない安定した酒質を誇っているので、そのポテンシャルを引き出すためにもじっくり時間をかけて向き合ってもらいたいところです。果実の甘さや熟度だけに頼ったような仕上がりではないので、ブルゴーニュ派な人でもその本質には十分触れることが出来ると思います。
(2014/04)