- Good Quality -
一般的な紙のラベルはなく、ボトルに直接「g」の文字がプリントされた、個性溢れる見た目が印象的な「ガゴ」。従来は現代的な指向性が色濃くなったある種のカッティングエッジさが特徴となっていましたが、今回の2010年に関しては、以前よりも葡萄の持つエネルギーに力点をシフトさせているような傾向にあります。
MLFによる乳感はかなり控えめとなり、そのかわりに豊富なタンニンを主体とした険しさが全体をカバーしている傾向にあります。抜栓日はその指向性がより強く、やや向き合い難い印象もありますが、翌日に持ち越す事で余分な力や緊張感が抜け、適度な距離感で対峙出来るようになります(その反面乳感が若干増す)。タニックかつ高アルコールなので迫力はありますが、決して重くなりすぎず程よい流麗感を維持し、緻密さと微細な表層がうまく形作っているので、込められたエネルギーが暴れる事なく程よくバランスしているとも言えます。
テンプラニーリョ100%で造られていますが、直前に試飲したプシーとは180度異なる指向性なのが興味深く、ガゴに関してはどちらかというとボルドー的な指向性が色濃くなっています。全体を俯瞰すると以前よりも良好な手綱捌きがなされているように感じるので、受ける印象はより良くなっている傾向にあります。まだ若くやや尖った部分もあるので、出来ればもう少し熟成させておきたいところですが、現状でも相応の満足感は得られると思うので、若いなりの良さを前向きに楽しんでもらいたいところです。
(2013/05)