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エノロゴとして有名な「ルカ・ダットーマ」が、満を持して立ち上げた自身のワイナリーが「ドゥエマーニ」。造り手と同じ名前を冠したこの「ドゥエマーニ」は、ビオディナミ(デメターの認証を取得済み)で栽培されたカベルネ・フラン100%で造られる渾身のワインで、まさに造り手を表すフラッグシップアイテムといえる1本となっています。通常は出来の良い葡萄のみを使用して造られますが、2004年はすべてのカベルネ・フランがこのドゥエマーニに使用されたので、ブレンドワインのアルトロヴィーノは造らていません。生産本数は僅か6千本。
ドゥエマーニが造られるのはトスカーナの「リパルベッラ」。ボルゲリに程近い産地という事もあり、カベルネ・フラン100%で造られる同ヴィンテージのパレオとの違いが気になるところですが、実際には根本的な指向性が大きく異なるので、両者の間には同じモノセパージュワインとは思えない程の違いがあります。
非常に高い果実の熟度が感じられ、海苔の佃煮を感じさせる旨味や甘味が印象的です。非常に高密度のエネルギーと凝縮度が感じられ、高いアルコールも加わったポテンシャルあるスタイルではありますが、非常に瑞々しく滑らかで、所謂カベルネ・フラン的なハーブ風味や青味は皆無なので、恐らく誰が飲んでも素直にその良質さを享受出来ると思います。これだけのエネルギーを有しながらもいたって自然体で、カベルネ・フランの持つ適度な軽快感や硬質さをうまく素性として活かしているので、真に造り手を代表する1本でありながら、なおかつカベルネ・フランを代表する1本としても仕上がっていると言えます。価格はかなり高価ですが、1度は試す価値のある逸品なので、しっかりと熟成期間をとって存分に堪能してもらいたいところです。
(2013/10)