- Good Quality -
カベルネ・ソーヴィニヨンで造られる「カッパーマイン・ロード」、グルナッシュ、シラーズ、ムールヴェードルで造られる「アイアンストーン・プレッシングス」、シラーズで造られる「デッド・アーム」。この3種類のワインは「アイコン」ワインと呼ばれ、ダーレンベルグの中で「ビッグ・スリー」として扱われています。
「デッド・アーム」とは、「ユティパ・ラータ(Eutypa Lata)」というカビによる影響で葡萄樹の片側が枯れ果ててしまう病気のことで、結果として残った樹からは凝縮した素晴らしい葡萄が育ちます。熟成に関しては新樽と1年樽のアメリカンオークバリックとフレンチオークバリックで22ヶ月間熟成されます。
長年にわたる瓶熟成によって真価が発揮されるといわれるデッド・アームですが、8年程経過した現在の状況は、程よい落ち着きや滑らかな質感を持つ飲み頃感ある状態ですが、スクリューキャップの影響もあってか、思ったよりも熟成感は控えめです。スパイス風味はやや控えめですが、過熟果実の甘味と微細なタンニン、海苔の佃煮を彷彿とさせる風味など、落ち着いた佇まいの中にもしっかりとした表情が構築されています。
現状ではまだ熟成感が控えめという事もあってか、若い頃のエネルギー溢れる状態の方がより明確に美点が強調されていたのではないか、という思いもありますが、それでも非常によく出来たニューワールドのシラーズということに違いはないので、価格的な側面が特に問題にならなければ十分お薦め出来そうです。
(2013/09)