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以前試飲した2005年と比較すると、非常に現実的なスタンスにおけるパッケージング力や纏まり感が伝わる出来となっており、タンニン系のパワフルな要素が突出する事なく、抜栓直後から遺憾なく楽しむ事が出来ます。
熟した果実の表情が印象的で、カシスやブラックベリー系の果実味と、胡椒系のスパイシーさが相まったローヌらしい魅力ある世界観となっています。抜栓日はグルナッシュやムールヴェドルの表情がより色濃く出る傾向にあり、充実した密度やしっかりとした系譜の佇まいがより印象的ですが、翌日になると適度な豊満さと余分な肩の力がとれたリラックス感、そしてシラーのスパイシーさがより印象的になり、バランスの変化とともにその表情にも一定の変遷が観られます。
各要素毎に多少エネルギー総量やポテンシャルに差異がありそうな印象ではありますが、それでも非常によく出来た楽しめるジゴンダスであることに変わりはなく、その表情の変化も前向きに捉える事が可能な範囲なので、コストパフォーマンスの高いお買い得感のあるローヌワインだと言えそうです。
(2013/09)