- Good Quality -
1983年に日本企業のサントリーが買収したことで話題になったシャトー・ラグランジュのセカンドラベル「レ・フィエフ・ド・ラグランジュ」です。
以前からの印象通り人の力ありき、つまり、現代的な醸造技術とそれを指揮する人の意思による結晶といった世界観になっています。葡萄そのものの力は弱めですが、手頃な価格帯で多くの人に供給するためにはなにが必要か、その現実的な解を見事に結実させてくれています。
抜栓当初はややタニックで苦みが強い傾向にありますが、酸が非常に柔らかく、それでいていかにもMLF的な乳資質を感じさせない仕立てが成されているので、落としどころとしては絶妙だと言えるかもしれません。翌日に持ち越すと苦みが落ち着き、そこから垣間見せる表情は概ね良質で、なにより全体を通してのバランスがよいので、非常に扱いやすい(失敗のない安定感がある)1本だと言えそうです。
(2013/07)