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ダリオ・プリンチッチのスタンダードアイテムはモノセパージュが基本となっていますが、このトレベツに関しては「ブレンド」で造られます。先日の2007年に続いて今回は2009年の試飲となりますが、やはりトレベツに限らず、ダリオ・プリンチッチの2009年は総じてクオリティが高いと言えます。
スキンコンタクト系の白ワインらしく色調は非常に濃く、紅茶のようなオレンジがかった琥珀色となっています。ただ、2007年とは違い、澱や濁りはほとんどないので、事前にボトルを立てておく必要はありません。
ほろ苦さやミネラル感等からくる硬質感はコアに内包しているものの、圧倒的に異なるのがその果実の充実度。甘美なその様は非常に魅力的かつ親近感ある様式で、ポテンシャル系由来の難解さよりも素直に楽しめる表情がより全面に打ち出されています。仮にこの独特の個性を受け入れられなかったとしても、その良質さと充実したエネルギーは遺憾なく享受出来ると思います。2007年の突出した個性と主張は影を潜め、飲み手を選ばない指向性となっているので(とはいえ根本的に好みはハッキリと別れますが)、北イタリアの本気を知るにはちょうど良い1本だと言えそうです。
(2013/03)