- Very Good Quality -
現代的指向の国際市場向けワインといった、ある種の王道的スタイルを色濃く反映したようなトレッビアーノで、ステンレスタンクを使用したパワー系のシャルドネにも相通じる中庸さが、ある種の魅力と言えるかもしれません。
アルコールが高く辛味があり、クリーンな質感と相まってキレのある表情が広がりますが、本質的にはしっかりとした果実の力があり、桃や洋梨などのトロピカル系資質の果実味が興味深い対比となっています。標高の高い畑でとれる葡萄のイメージに合致し、シンプルでスッキリとした表情が主体になっていますが、かなり力強い酒質なのが印象的です。不思議と仄かに樽熟成したような要素も感じますが、実際にはステンレスタンクのみ使用しているようで、総じてマリナ・ツヴェティッチとの指向性の違いが楽しめそうな印象です。
抜栓日はやや高アルコール由来の厳しさが先行しますが、日をまたぐとグッと落ち着きをみせ、マスキングされていた果実味が徐々に表出しはじめるので、コアにあるポテンシャルを信じて焦らずゆっくりと向き合ってもらいたいところです。
(2013/06)