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「マサンテ」に使用されるドルチェットは、モンフォルテ・ダルバにある「ブッシア・ソプラーナ」の区画で栽培されます。2002年までは「ドルチェット・ダルバ」として出荷されていましたが、現在は「ランゲ ドルチェット」に変更されています。
以前のマサンテは、堅牢性や体躯密度などのポテンシャル要素に注視したスタイルとなっていましたが、久しぶりに試飲した今回の2011年に関しては、すぐに飲んで楽しめる親近感あるスタイルへと変化していました。過去のスタイルは、高品質なもののやや時間がかかる傾向にあり、より通向けな印象が強くなっていましたが、抜栓後からすぐに楽しめるだけの柔和さを積極的に取り入れたことによって、より多くの人に受け入れられる世界観に進化したとも言えます。
仄かに古樽系の香りが漂いますが、一般的なドルチェットとは違ってしっかりとしたボリューム感があり、角の取れた丸いぽってりとした食感やベリー系の果実味と相まって、表層的な美味しさと潜在的に秘めたポテンシャルの折衷点を程よく掴んでいる印象があります。兼ね備えたエネルギーの総量は多少落ち着いた傾向にありますが、今すぐ飲んでこれだけ楽しめるのであれば十分なメリットがあると言えそうです。上のレンジに位置するバローロでなくても、造り手の手腕や良質さを窺い知れるというのがアルド・コンテルノの良いところでもあるので、是非とも積極的に試してもらいたいところです。
(2013/05)