- Good Quality -
この短期間でまたラベルが一新されましたが、2006年の変更時を上回る勢いで安易なスタイルへと推移している傾向にあります。世界観そのものとしては、現代的なワインのスタイルとバローネ・リカーゾリとしての方向性が相まったものになっていますが、既にカザルフェッロの代替として誕生したアイデンティティは存在せず、限られたリソース内で最大の効果を得るといったような、異なる側面が色濃く内容に反映されています。
葡萄そのもののポテンシャルの問題なのか、ベースのフラットさとフィニッシュの水臭さが気になりますが、全体像としては破綻しない範囲でうまく纏めあげられ程よくバランスしています(現代的な技術を感じる世界観)。抜栓日の印象は正直あまりよくありませんでしたが、時間を追うごとに、そして日を経るごとに、一体感上昇とともにネガティブな要素が気にならなくなってくるので、デイリー感覚で飲むワインとしては、価格帯に応じたそれ相応の内容といえるのかもしれません。
(2012/11)