- Recommended -
3品種のブレンドで造られるGSMとは違い、ウッドカッターズは1品種のみ、シラーズで造られます。モノセパージュらしいブレのない明確な表情で、多少シンプルではあるものの、奇麗に研ぎすまされたその質感は、ウッドカッターズとしての気軽に飲めるポジションというだけでなく、より上のレンジを見据えた表情となっています。特別果実爆弾的というわけではなく、より現実的な立ち位置で、品種の個性となるスパイシーさも程よく表現され、純粋な「美味しさ」「楽しさ」よりも「質感」「ポテンシャル」に力点が置かれているような印象でもあります(GSMに対する相対的な印象)。
個人的には、素直に飲んで楽しめるGSMに票を入れたい気分ではありますが(価格的な差も含めて)、それでも、ウッドカッターズの方が純粋なテイスティング結果としては評価出来るポイントがあるのも事実なので(点数評価としての利)、そもそもの「ポジションとしての差」と捉えてその違いを享受するというのが前向きな楽しみ方なのかもしれません。
(2012/11)