- Good Quality -
2009年というヴィンテージの恩恵もあってか、以前試飲した2007年よりも果実の緻密さや味の詰まり具合が大幅に増加しています。まさにアメリカ西海岸を感じるような濃密な果実感(日本の果実にはない密度)があり、単純な濃度=甘さとはひと味違う本質レベルでの果実力の差異を感じます。とはいえ、決して果実の力に頼るような安易さはなく、しっかりと酸とタンニンのバランスを考慮した造りになっているので、造り手としてのアレックス・ガンバルの手腕は大いに堪能出来ると思います。
封じ込められたパワーそのものはACブルゴーニュ以上のものがありますが、体躯を構成する外郭一杯までメーターが振り切っているような印象があり、頂点より手前でリミッターに当たっているような感覚も多少あります。しかし暴れることなくすっきりと纏め上げていることや、このクラスに求められている気軽さなどもしっかりクリアした仕上がりになっている点など、重厚さの中の軽快さというアレックス・ガンバル流のスタイルは、やはり十分評価に値するもがありそうです。
個人的には、2009年というヴィンテージとアレックスの手腕の相乗効果はかなり魅力的に映るので、より上のクラスの村名やプルミエ・クリュを試してみたいところです。
(2012/07)