- Good Quality -
アメリカ人の「アレックス・ガンバル」がブルゴーニュでワイン造りを始めたのは1997年。まだ10年そこそこと造り手の歴史は浅く、しかもアメリカ人が造るワインいうことであまりポジティブな印象を受けない人もいるかもしれませんが、実際にはそういった不安要素を払拭するだけの素晴らしい内容になっています。
表面上は酸主体で構成されていますが、しっかりとした緻密さと重量感に裏打ちされた体躯力はなかなかのものがあり、一般的なACブルゴーニュ以上のエネルギーが感じられます。優れた構成力を発揮してくれるだけでなく、重厚さを兼ね備えながらも口当たりは重くならないあたり、その手腕は十分評価できると思います。
抜栓日の明確な表情とは多少異なり、翌日に持ち越すと少しばたつきと弛みがみられましたが、3日目になると逆に持ち直してしっかりとした歩調を見せてくれます。兼ね備えたポテンシャルは既に十分なものがあり、あとは今後どのように鍛錬し昇華させていくか、といったところなので、ある意味将来に期待ができる造り手だと言えるかもしれません。内容に応じて価格もそれなりのレンジにあるので、決して万人向けというわけにはいきませんが、それでもコストパフォーマンスは決して悪くないので、この価格帯のACブルゴーニュを普段から飲んでいる人であれば十分満足できると思います。
(2010/09)