- Good Quality -
スペイン各地で様々なワインを手掛けるワインメーカー「テルモ・ロドリゲス」。まさに革命児とも呼ばれるテルモ・ロドリゲスですが、そんな彼の生家のワインがこの「レメリュリ」。
熟成期間の長いレセルバということもあってか、当初の印象はやはりタニック。直前に試飲したカマラートに比類するほどの強靭な苦みと渋みが先行し、距離を置いて過熟系果実の風味が際立つという、ある種両極的スタイルとなっています。明確に的を絞り、際立つ要素の表情で世界を構成する姿勢がカマラートと共通する印象だったりもしますが、レメリュリの方は数日経過させて一体感が増してくると、スペインの古酒を彷彿とさせるような独特の風味が立ちのぼってくる傾向にあります。過熟果実と樽風味によってやや古ぼけた(古酒的な)印象へと推移しますが、それでもヒネたようなネガティブな指向性ではないので、パラシオ・デ・アルガンサのようなスタイルを肯定的に受け止められる人であれば、概ね満足出来る世界観だと言えそうです(まさにテンプラニーリョが好きな人向け)。
ややアルコールが高く(13.5%)、現状では抜栓後からすぐに魅力が開花するというわけでもないので、多少サーブに気を配った方が良いのかもしれませんが、それでも内包されたパワーやポテンシャルは十分伝わってくると思うので、基本的にはどの熟成段階においてもしっかりとした満足感が得られると思います。WAによる非常に高い評価がそのまま飲み手の満足度に繋がるわけではありませんが、それでも特別高価格帯に位置しているというわけでもないので、もし未経験であれば1度は試してみる価値があるかもしれません。
(2012/06)