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「シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌ」は、バルサックの有名な「シャトー・クリマンス」と「シャトー・クーテ」のすぐ南東に位置していますが、隣には同じ「ドワジー」という名を冠したより名高い「シャトー・ドワジー・デーヌ」があることもあってか、多少陰に隠れた印象が強いかもしれません。
現時点ではまだ3年程度しか経過していないので、その真価が発揮されるのはまだまだ先なのかもしれませんが、それでも今回は手軽に試せるハーフボトルということや、根本的にしっかりした甘味のある豊満なタイプということもあってか、今飲んでも十二分にその美味しさを享受出来る内容になっています。
貴腐ワインらしい豊かな酸や複雑さを兼ね備えていながら、それでいて蜂蜜的なしっかりとした甘味と体躯の重厚感が印象的で、現時点で既に安定したバランス感と心地良い世界観を存分に披露してくれます。しっかりとしたアルコールが感じられ(表記は13.5%)、まだ若いこともあり多少輪郭が硬いことや、とき解れないほろ苦さも感じられますが、それでも「良いワインはいつ飲んでも良い」ということがハッキリ分かる素直な魅力を持っているので、おそらく多くの人が無理なくその美点を享受出来ると思います。2千円台中盤ぐらいで普通に買える良質でポテンシャルのある貴腐ワインということを考えると、非常にお買い得感が高く、その有用性もかなりのものが期待出来そうです。
(2012/04)