- Very Good Quality -
バルサックを代表する、卓越した世界観を持つ「シャトー・クリマンス」の2000年ヴィンテージです。ミレニアムに沸いた2000年ですが、ヴィンテージの評価としては良くないものの、クリマンスは「4hl/ha」という驚異的に低い収穫量で極僅かな本数のみ造り、そのクオリティの維持に努めています。
明確で豊かな甘味を持っていますが、程よい熟成によってその複雑さと多様性が増していることもあり、相対的には甘味以外の要素がより全面に出る傾向にあります。極甘口ワインとしてというよりも、構造性を含めたパッケージング全体の良質さが光る、良質な白ワインといった印象でもあり、この懐の広さと深さは明確な美点のひとつだと言えそうです。
樽による酸化熟成系の風味がアクセントとなっている事もあり、仄かに酒精強化系や蒸留酒系を感じる要素が漂いますが、全体像としては程よくバランスしているので、そうネガティブな要素になる事はないと思います。純粋な「甘くて美味しいワイン」とはやや指向性が異なるので、分かりやすい美味しさという観点としてはそこまで強い光を放つ事はないかもしれませんが、シャトー・クリマンスとしての存在力を感じることができるだけのポテンシャルは有しているので、機会があれば是非試してみてもらいたいところです。
(2013/11)