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使用される葡萄は、ガリオッポ45%、グレーコ・ネーロ15%、マリオッコ・カニーノ15%、ネレッロ・カップッチョとサンジョヴェーゼ25%。まさに土着品種のオンパレードですが、醸造にトゥア・リータなどでお馴染みの「ステファノ・キオッチョリ」が起用されていることもあり、全体像はいたって現代的で奇麗に整ったスタイルとなっています。土着的な個性はあくまでも程よいアクセントとしてうまく生かされ、現在の市場に適合した内容へとうまく導いているような印象があります。
最も印象的なのはその瑞々しさ。ジューシーでプリっとした果実を頬張るかのような心地良さがあり、14%という高アルコールや、南伊的な暑さを感じさせない軽快さをうまく演出しています。デフ・ガラーやオールド・ヴァインズも「高アルコールでありながらそれを感じさせない仕立て具合」が成されていましたが、こういった指向性の現代醸造技術はかなり大きな恩恵がありそうなので、葡萄とその土地が持つエネルギーや性質を生かしつつも多くの人に楽しんでもらうという、ある種のWin-Win的な関係性が築けそうな印象だったりもします。
(2012/01)