- Good Quality -
「ザ・ハットトリック」でお馴染みのオーストラリアン・ドメーヌ・ワインズが手掛ける、よりお手軽なレンジのワインがこの「デフ・ガラー」。ファーストヴィンテージとなる2003年がWAで87点、セカンドヴィンテージとなる2006年が90点と、年々評価をあげていることで注目が集まっています。そして興味深いのがそのセパージュ。2008年からはスペインの品種として有名な「テンプラニーリョ」がブレンドされ、シラーズ37%、テンプラニーリョ27%、カベルネ・ソーヴィニヨン24%、グルナッシュ6%、メルロー6%という、驚きの構成比率となっています。
とにかく驚かされるのがその突き抜けた果実っぷり。シラー系のスパイシーさも感じられますが、とにかく豊満でフワっと丸みを帯びた容姿に(メルロー的な柔らかさながらも更に輪をかけて豊満で軽快)、とんでもなく突き詰められたような完熟かつジューシーな果実味が広がります。トルブレック的な果実爆弾に通じるものがありますが、デフ・ガラーに関しては更に突き抜けている傾向にあるので、この個性についてはもはやどうこう言うような次元にはないのかもしれません。
14.5%という高いアルコール度数を誇りながらも、そのジューシーな果実感と軽快な立ち振る舞いによって、飲み疲れることのない不思議な親近感を生み出しています(かなり飲みやすいスタイル)。端的に言うと所謂「極めて甘く美味しいワイン」というスタイルになりますが、かなり際立ったスタイルゆえに、一般的な日本の食卓では存在が浮いてしまうだけでなかなかその良さを享受出来ない傾向にあると思います。あくまでも価格に準じた内容ではあるものの、単純に甘ったるいというだけでは終わらず、その世界観と存在力には認めざるをえない部分もありますが、それでも世の評価は明らかにオーバーだと言えるので、過剰な期待をかけるのは禁物だと言えそうです(ある種、飛び道具的なアイテムになるかも?)。
(2012/01)