- Good Quality -
造り手の「カザーレ」は1964年に設立され、最初のワインを生み出したのが4年後の68年ということなので、伝統産地トスカーナとしては比較的新しい世代の造り手と言えるかもしれません。ラインアップの中で特に重要度の高いアイテムとしては、サンジョヴェーゼで造られるこの「パレタイオ」と、カベルネ・ソーヴィニヨンで造られる「カンポラ(メルロー5%含む)」の2つがあげられます。
サンジョヴェーゼ気質が主体となったスタイルではありますが、骨格感や張りといった性質はほとんどなく、タイトさと酸といった要素に、近づきやすい適度な柔らかさと乾いたタンニンが付加されたような、ある種の現代的手法を用いた補助ブレンド使用ワインといったスタイルになっています。とはいえ、本質的な世界観は思いのほか伝統的でもあり、どことなく90年代後半のキャンティ・クラッシコを彷彿とさせるようなテイストがあったりもします。
抜栓日の印象は、内包する意外な柔らかさ(メルローっぽさ?)がやや強めでしたが、潜在的なタンニン含有量は思った以上に膨大で、数日経過させると、軽快ながらも口中の渇きを伴うような強いタンニンの表情を感じることになるので(カベルネ(ボルドー)的な屈強さ?)、向き合いやすい体裁がとられてはいるものの、潜在的なポテンシャル(超寿命要素)は意外と期待できそうな印象があります。
(2011/12)