- Good Quality -
初登場となった2003年や翌2004年といった以前のヴィンテージより、今回の2005年は瓶熟期間を長めにとった効果もあってか、明確な表情やスタイルはそのままに、より素直な飲みやすさを持った世界観となっていました。
15%という強烈なアルコールは不思議なほどに気にならず、しっかりとした酒質と仄柔らかい体躯内部の対比、そして木の実や穀類系の風味が仄かに漂う表情が心地良く、ややシンプルな傾向にあるものの、一体感あるその世界観は素直に楽しむことが出来ます。辛味や厳しい表情も多少は存在していますが、時間とともに熟れていく傾向にあるので、取っ付きにくさや距離感といった要素はそれほど感じないと思います。
印象としては、偉大さや圧倒的なボリューム感を誇るタイプではなく、単体で飲むよりも料理とともにマリアージュを楽しむような方向性が適しているように感じます(ハマると満足度は数倍に跳ね上がるかも?)。点数的に現れるような評価はあまり高くならない印象ではありますが、存在力や完成度は思いのほか高く、抜栓日〜翌日程度でその全容が無理なく引き出せる点や(まさに飲み頃)、従来から気になっていた「高アルコール由来の風味」が気にならないレベルまでしっかり落ち着いていることなど、クロ・デ・フェのグルナッシュ・ブラン経験者にとってはプラスに感じる点が多々あったので、個人的には大いにお薦めしたいところです。
(2011/11)