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通常のソアーヴェ・クラッシコとは異なり,単一クリュ「カルヴァリーノ」の中から、より良い区画の葡萄を厳選して造られます。
より上のレンジのワインらしく、全体像としてはスッキリと整った品位ある佇まいですが、口当たりの良さがしっかり確保されていることもあって、素直に楽しむことのできる美味しいワインといった指向性になっています。シトラスやミネラルの風味が心地良く、多少グレープフルーツピールのような苦みもありますが、果実的な甘さが思いのほかしっかりしていることもあって、無理なく自然と飲み進めることができると思います。決して群を抜くような内容ではなく、いたって現実的なレベルの世界観ですが、決してクオリティ偏重で突っ走ることなく、日常の多くの場面で実際に飲むためのワインになっている点は好印象で、高品質系ソアーヴェの持つ素性と万人受けしやすい表情の折衷系、といったスタイルだと言えそうです。
酒質は安定しているので温度帯を上げても基本的には問題ありませんが、口当たりがよく飲みやすい反面、多少柔らかく緩い側面があり、水のようなニュートラルな部分も感じられるので、輪郭のシャープさを保つためにも温度帯はやや低めにキープしておく方が良さそうです。可能であればもう少し価格が抑えられると有り難いところですが(理想は2千円台前半以下)、現状でも内容とそう大きく乖離しているわけではないので、まだ必要な価格競争力は得られていると思います。
(2011/10)