- Good Quality -
緑系のハーブ風味、シトラス、輪郭を持つ甘味など、クオリティ系ソアーヴェに望みたい表情はしっかり兼ね備えていますが、それぞれの要素がハッキリ目立つようなことはなく、現時点で既に打ち解けて一体感ある表情になりつつあります。若いヴィンテージながら纏まり感がある反面、ややこぢんまりとしている傾向にもあるので、このあたりは飲み手によって多少捉え方が異なるかもしれません。
ピエロパンの手による以前のソアーヴェとは少し本質的な印象が異なるので、単純なヴィンテージの変化というものにとどまらず、絶えず進化を求めて歩を進めているということの表れなのかもしれませんが、明確なエネルギー感は控えめでもパッケージングに秀でる側面があり、なおかつ以前のような「点数的な評価とはまた違った良さ」という、下限レンジならではの良さを求めるものから敢えて一歩前進したかのような印象も多少はあるので、トータルで見た場合は概ね良き一歩と言えそうです。
価格帯が以前よりも多少下がっていることや、より食事とともに飲むことで楽しめるようになっている(一定クオリティを保ちながらも良い脇役になってくれる)点など、最も重要な役割は今でもしっかり担ってくれているので、気軽に試せる良質なイタリアの土着系白ワインとして幅広い層にお薦めできそうです。
(2011/09)