- Good Quality -
オフヴィンテージとしての印象が比較的強い2007年のブルゴーニュですが、温暖化の影響や技術的な発展などにより、近年は以前のような明確なオフヴィンテージというものは存在しなくなりつつあるので、あくまでも「スタイルの差」としての違いを意識するのにとどめておき、必要以上に敬遠する必要性はないと思います。そんな2007年のルロワのACブルゴーニュですが、直前に試飲した2003年と比較してもそれほど遜色のない果実味が感じられ、全体像としての印象はむしろよりよいものになっていると言えます(今回のロットに関してはこちらの方が状態は良さそう)。
全体的なバランスは良好なものの、多少果梗的な硬さやタンニンの締まりを感じるのも確かです。とはいえ、その表情に青臭い傾向は一切なく、全体を程よく引き締めるシャープさや品行を感じる程度の範疇におさまっているので、あくまでも指し示す指向性の差といったような「ヴィンテージ特有の性格」が伝わる内容になっていると言えそうです。点数的な観点だとまた話は変わってくるかもしれませんが、価格帯や状態といったその他の要素も考慮すると、仮に今すぐ入手して飲む場合、個人的には2003年よりも2007年の方が僅かにお薦め度が高くなりそうな印象を受けます(純粋な内容的にはどちらも同じような良好さなので飲み比べると面白いかも?)。
(2011/10)