- Good Quality -
猛暑として未だ記憶に新しい2003年ですが、豊かな果実感が印象的ではあるものの、決してダレることのない品性ある佇まいなのはさすがルロワといったところかもしれません。僅かに吹いた後があり、状態としては完璧ではないのかもしれませんが、それでもヘンにネガティブに振れるということはなかったので、基本的には安心して飲めると思います(多少表面がザワザワする傾向にはありますが…)。
2003年というヴィンテージの恩恵が伺い知れる、ボリューム感ある果実の豊かさが印象的で、クッキリとした果実の甘味が今もなお明確な表情として残っています。土っぽさや胡椒系のスパイシーさ、そしてホップのような苦みも感じられ(状態が要因?)、垣間見せる表情やエネルギーとしては明らかに上のレンジ(村名格)の内容ではありますが、解像度自体はそれほど高くないので多大な期待は禁物かもしれません。果実感はあっても決して猛暑的な指向性は特に感じられず(むしろ締まりの良い体躯)、熟成の過程としては若さを感じるような段階は既に脱しているものの、それでもまだ熟成段階へ一歩踏み出した程度の印象なので、今飲む用としても、もう少し置いておく用としても、どちらにおいても十分な力を発揮してくれそうです。
(2011/10)