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比較的マイナーな地区から高品質なワインを生み出すことで有名な、グザヴィエ・コペルが1996年に設立したネゴシアンである「プリモ・パラテューム」の「マディラン」のバックヴィンテージで、年間生産本数は僅か2,400本となっています。
マディランらしい屈強なタンニンが非常に印象的ですが、10年を超える熟成によって適度な丸みを帯び、一歩下がった位置にある完熟果実風味と相まって、その本質的な魅力を存分に享受することが出来ます。まさに「タンニンの持つ美」をストレートに楽しむことができますが、現在の状態でもまだピーク〜ピーク半歩手前(9合目程度)といった印象なので、潜在的にはまだまだ10年単位で長期保存することは可能です(といってもその頃には果実味の方が先に衰えるかもしれませんが)。
以前試飲したミトロジアのような圧倒感はありませんが、それでも熟成効果による円熟味が非常に魅力的で、上のクラスでなくても十分なポテンシャルを誇っているということが具に感じ取れます。まさにマディランという地とグザヴィエ・コペルの本気によって紡ぎ出された良質な1本ではありますが、いかんせん生産本数が少なく、なおかつボトル差(うまく熟成してくれるか否か)の問題もあるので、可能な限り信頼できるショップでの購入をお勧めします。出荷された当初とは違い、長期間の熟成を経ていることもあって、相対的にはかなり割高になってしまってはいますが、それでもそれに応じたポテンシャルは十分感じ取れるので、プリモ・パラテュームのワインに込められた凄みを知っている人にとっては許容範囲内と言えるかもしれません(熟成期間への対価として考えられるかどうかがポイントかも?)。
(2011/05)