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通常のメ・カドとは違い、こちらは古木を意味する「ヴィエイユ・ヴィーニュ」の名が刻まれています。メ・カドと同じように抜栓直後から楽しめ、同様にほぼ同じ世界観が広がりますが、コアにより凝縮した塊感、全体的な表情やエネルギーにパンチ力がある傾向にあります。
同一の世界観をベースとしながらも、より明確な表情を加えることでダイナミックレンジを活かしたコントラストある内容へと変化していますが、逆にいうと、バランスを重視した一体感や各要素間の滑らかさにおいては通常のメ・カドの方に分があるとも言えるので、決して両者間に劇的な差(超えられない壁)があるというわけではありません(本質的な美点はどちらも同じ)。
純粋な評価としてはこのヴィエイユ・ヴィーニュの方が高くなりますが、それに応じて価格の方もやや高くなるので、現実的に「飲んで素直に楽しむ」というスタイルを考えると、相対的なコストパフォーマンスに関してはやや不利な傾向にあります(3k円を切れば文句なし)。とはいえ、ヴァンサン・デュルイユ・ジャンティアルらしい良質さを感じながらの美味しさ、という指向性でもあるので、この造り手が好きな人であれば十分納得出来るだけの満足感は得られると思います。
(2011/01)