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1983年に誕生したペルカルロは、6つの畑から特別選別されたサンジョヴェーゼ100%で造られます。
2005年というヴィンテージを考えると、もう少し素っ気ない表情や、ちょっとした堅物的な表情が強いようなイメージだったのですが、実際には思った以上に素直に楽しめる状態で、ペルカルロ節とでも言うべきモダンな要素と、サンジョヴェーゼの本質力とでも言うべき硬質感あるタイトさと豊富なタンニンが結合した土台が、非常にポジティブな表情を生み出しています。
本質的なタンニン力はかなり膨大なので、兼ね備えた潜在能力をすべて引き出そうと思った場合はもうしばらく時間が必要ですが(要、中〜長期的な熟成)、抜栓当日は一段とキュートな果実感がうまく全体の魅力を牽引してくれることや、数日経過しても表情が急変することはなく、緩やかにコアの厳かさを露にする傾向にあったので、今飲んで楽しめる要素と、今感じるポテンシャル、そして将来への期待と、バランスよく自信の世界を展開してくれる印象があります。適度な距離感からくる全体像の把握も必要充分なので、早飲みスタイルではない人でも大いに満足できると思います。
明確な酸の表現とクールな温度感など、従来のペルカルロ像とはやや異なる印象もありますが、サンジョヴェーゼの本質的な良さがしっかり感じられるので、個人的には大いに評価したい内容だと言えます。一般層に対しては前年の2004年をよりお薦めしたいところですが、サンジョヴェーゼ派な人であればこの2005年を飲むことでまた異なる趣を感じることができると思うので、より手軽な価格になりつつあることを考えると、相対的なお薦め度はむしろ上がっていると言えるのかもしれません。
(2010/11)