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イタリア人醸造家「フランコ・ベルナベイ」の代表作であり、良きキャンティ・クラシコ・リゼルヴァの「ランチャ」を造ることで知られる、フェルシナのトップキュヴェワイン、サンジョヴェーゼ100%のスーパータスカン「フォンタッローロ」です。
今回の1本は、期待できる2004年というヴィンテージの恩恵を受け、存分に楽しめる仕上がりとなっていました。久しぶりに良質なフォンタッローロに出逢えたという印象だったりもしますが、この内容であればその良質さは多くの人に伝わると思います。
想い描く「フォンタッローロ像」といった要素も内包しつつ、それでいて高い純度の完熟果実とタンニンの双璧がうまく成り立っているので、飲んで楽しめる要素とポテンシャル系の要素の両方をしっかり堪能することができます。抜栓日は多少固くぎこちない印象でしたが、翌日に持ち越すことで求心力が一段階増すとともに明確な世界が構築されていくので、今からでも十分その存在力を引き出せると思います(欲を言えば後1〜2年程度は寝かせたいところですが)。
サンジョヴェーゼワインとしての良さというよりも、あくまでもフォンタッローロとしての良さが色濃く反映されている傾向にありますが、シンプルに素性の良さを追求したかのような従順さを内包し、そのあたりの要素をヴィンテージの力がうまく支えていることもあってか、フォンタッローロを飲みなれていない人であってもその本質的な良質さは感じ取れると思います。個人的には毎年飲んでいる人によりお薦めしたい気分だったりしますが、その出来の良さに反して価格の上昇が抑えられているという側面もあるので、未飲な人でももし興味があれば試してみてもらいたいところです。
(2010/10)