- Good Quality -
最も手軽なラインとも言えるアリゴテに関しては、2005年でもまだ従来のラベルデザインが継承されていましたが、今回のヴィンテージでは他のワインと同様にシンプルラベルに移行されています。
ラベルの記述を見ると植樹は1929年と1948年。かなりの樹齢を重ねたヴィエイユ・ヴィーニュとなっていますが、一本筋の通ったアリゴテらしい酸と心地良いシトラス風味を主体としながら、キッチリと余裕を持って引き締まるミネラル感のある固さや、細身ながらも全体に行き届いたバランス感覚等、その世界観には質実さとポテンシャルを十分感じとることができます。
鋭角に突出するようなことはありませんが、それでも明確で強い酸が主体であることに違いはないので、日本における一般家庭の食事に合わせるのは少し辛いかもしれません。かといって単体で楽しむようなタイプでもありませんが、それでもテイスティング的な飲み方の方がその本質は享受できる傾向にあるので、ヴィンテージ感や、ミクルスキの手腕を確かめる、といった意識で向き合った方がよりよく楽しめそうな印象を受けます。
(2010/10)