- Good Quality -
久しぶりのデエサ・ガゴですが、以前飲んだ時に印象的だった「凡庸さ」という部分は、ある意味においてはそのまま継承していると言えますが、さすがに当時と比較すると醸造技術も随分進化していることもあってか、凝縮さや仕上がり感といった全体像に関しては大幅に歩を進めています。
基本的には人の力ありきのテクノロジーワインといった印象ではありますが、ギュッと詰まった果実の厚みと、それでいて重くならないための軽快な佇まいなど、現代のワインに求められるスタイルはしっかり捉えている傾向にあります(14.5%と高アルコールながら、口当たりの感覚はガバとそう大きな差はない)。どことなく仄かなミルク風味が一昔前な雰囲気を醸し出してはいますが、それを含め、多少ギクシャクした表情は抜栓日のみで、翌日になるとより一層の重厚さと体躯の一体感、そしてさらに日を経過させることで酸をベースとした流麗な表情と、時間の経過によって思った以上にスタイルに変化が見られます(思いのほかポテンシャルはあるのかも?)。
飲み手を惹き付けるようなものはなく、あくまでも表層的によく出来たワインといった傾向にありますが、それでもこの価格帯としては良い仕事をしてくれている印象があるので、千円台で選ぶデイリーワインとしては十分な評価が出来そうです。
(2010/09)