- Recommended -
カレラの中ではハイエンドに位置するシャルドネです。マウント・ハーラン(シャルドネ)の広さは10.4エーカーで、植樹は1984年(6.1エーカー)と1998年(4.3エーカー)に行われています。1987年~2008年までの22年間の平均収穫量は2.07トン/エーカー(31.0hl/ha)で、2008年ヴィンテージはフルボトル換算で502ケースが生産されています。
同年のヴィオニエほどではないものの、それでもしっかりとしたアルコール感があり(数値は14.8%)、比較的スッキリとした立ち振る舞いやシンプルかつ適度なバランス感など、共通する要素も多く同系統の指向性を持っていると言えそうです。果実にしっかりとした力があり、豊潤さやエネルギーがしっかり込められていますが、安易な甘味に傾倒することはなく、うまく体躯を支える一要素として存在しているので、このあたりを起因とした印象がヴィオニエとは大きく異なる点かもしれません。
カリフォルニアらしい密度ある存在感も健在ですが、全体を通じて流麗な水を感じる質感があり、抜栓後数時間経過したあたりで各要素が綺麗に開花してくれる傾向にあります。反面、翌日に持ち越すと寡黙さや凜とした佇まいが強まり、そのアルコール感と相まって、ヴィオニエ以上に日本酒(冷酒)っぽさを感じるようになります。スタンダードなセントラル・コーストとは根本的に異なる指向性であり、明快で陽的な美味しいワインを望む場合はあまり適合しないかもしれませんが、それでもハイエンドらしい気品は十分感じられ、納得出来るだけのコアエネルギーもしっかり伝わってくるので、ポテンシャル系ワインに期待する要素はしっかり提示してくれると思います。
(2010/04)