- Good Quality -
雑誌「一個人」の特集「極旨ワイングランプリ」で「赤ワインベスト1」に選ばれたことで一気に話題となったのがこの「ボルサオ」です。
カンポ・デ・ボルハというややマイナーなDOで造られるワインですが、見た目(ボトル)の印象や一個人でのトップ評価からして「スペインらしい分かりやすさを持ったムッチリ系」かと思っていたのですが、実際には細身のサイズと適度なボリューム感に、酸味とジューシーな口当たりが印象的な親近感あるスタイルとなっていました。
軽快な酸味が印象的で、タイトながらもしっかりと引き締まった体躯感などからして、どちらかというとイタリアワインに近い印象だったりしますが、相対的な果実の力や多少の鮮やかさが加わっていることなど、やはりスペインという地の持つ要素を根底に感じます。
誰もが即ピンと来るような明確な美味しさを持っているわけではなく、そういう意味では近い価格帯のアルゼンチンワイン「ロス・アイロス」の方がよりストレートに訴求してくるとは思いますが、それでもこのワインの持つ「親近感」は非常に有用で、一杯飲んで即判断するということではなく、日々の食事とともになにげなく嗜み続けることでふとその良さに気がつくといったものなので、日常生活に伴う「現実的な解」としては最適に近いポジションに位置していると思います。
(2010/03)