- Good Quality -
まさに現代的スタイルのニューワールドワインといった様相で、濃密さと熟した果実の甘味と独自性を基盤にし、すぐに飲んで楽しめる分かりやすい表情が広がります(抜栓日は若干ながら樽と品種の個性が強いかも?)。ギラつくほどではないものの、全体的に彩度が高く派手な傾向にあり、やけに丸い弾力系の口当たりなど、全体を通じてやや端的な指向性ではあるものの、それでも破綻すること無くキッチリ枠内で仕上げてきている傾向にあります。
大まかな方向性としては、直前に飲んだレザマンに相通じるものがあり、良くも悪くも時流を感じる指向スタイルだと言えますが(大勢で気軽に飲んで楽しむ系)、それでも1,000円を切るという驚きの価格帯であることや、3〜4日経過させた時のコアの質感が概ね予想通りだったことを考えると、将来を見据えた上での「可能性(造り手としての)」というのは現時点からでも十分評価できると思います。現状の方向性のまま、ただ単にヴィンテージを重ねるというのであればそこに大した意義はありませんが、それでもアイユス(アユラス)、ミシェル・ロラン、アルゼンチンという3要素が紡ぎ出す可能性を信じ、この価格帯でどこまで進化していけるかに期待したいところです。
(2010/03、2011/01)