- Good Quality -
2004年に生まれたこの新しいワイン「ランゲ」は、モンフォルテ・ダルバのブッシアにある複数の畑から造られます。セパージュは土着品種のフレイザが80%、そして国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨン10%とメルロー10%がブレンドされます。あまり知名度が高くない葡萄品種「フレイザ」が主に使用されていますが、ピエモンテの主要品種であるネッビオーロやバルベーラなどとはまたひと味違った表情を持っているので、このワインの持つ個性とスタイルを率直に体験して欲しいと感じます。
造りそのものはアルド・コンテルノらしい端正さや実直さが感じられ、マサンテにも共通するフレッシュさや溌剌とした表情を持っています。しかし、基調となるのはキッと締まる豊かな酸であり、スッキリとした体躯サイズにも関わらず、思いのほか重量感がしっかりしていることなど、これまでのピエモンテ主要単一品種ワインとは指し示す角度がやや異なる構成内容となっています(強いて言えばマサンテスタイルをベースにバルベーラとネッビオーロといくつかの補助品種を加えたような印象かも!?)。
比較的早くから楽しめるスタンスのワインではありますが、その表情とスタイルは一貫しているものの、現状では表層が思いのほか引き締まって硬く、それなりの収斂性を伴っていることもあってか、抜栓日はその美点をあまり的確に捉えることが出来ませんでした。抜栓から3日経過する頃になり、ようやく本来の良さを感じるというところまで辿り着けたという状態だったので、出来れば2〜3年ぐらいは様子をみたいという印象だったりもします(その溌剌としたフレッシュさを遺憾なく楽しむのに多少時間が必要といった印象!?)。そういう意味では、ネッビオーロに類似する系統とも言われるフレイザのポテンシャルはなかなかのものだと言えますが、それでも決して対峙を要するような物腰ではないので、飲み手の方もあまり肩に力を入れず、フレイザの持つ表情と可能性を素直に堪能するよう心がければ、自ずとより良い結果が得られると思います。
(2010/01)