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セントラル・コーストの特別仕様とも言える「キュヴェ V」は、日本のインンポーター「ヴィノラム」のために造られたスペシャルブレンドワインで、セントラル・コーストにある9つの畑と、マウント・ハーランの低い樹齢の葡萄によって造られます。
カレラのスタンダードレンジに位置する通常のセントラル・コーストとは明らかに異なる資質を持ち、中央の固まり感や緻密さなど、ひとつ上のレンジを密かに感じさせる世界観となっています。とはいえ、あくまでも基本スタイルは同じで「分かりやすく楽しめる甘い仕立て具合」となっているので、通常のセントラル・コーストと同じように「かなり際どいスタイル」だとも言えます。両者に共通する人工感は多少気になるところですが、キュヴェ Vにはその欠点を補うだけの良質なコア力を内包しているので、結果として短所と長所がかなりハッキリしていると言えるかもしれません(ある意味プラスマイナスゼロ?)。
「セントラル・コーストとマウント・ハーランのブレンド」という成り立ちがそのまま伺い知れる明確な内容なので、最終的には「このスタイルをポジティブに受け取れるか否か」、そして「通常のセントラル・コーストとの価格差」がポイントになってきそうです。短期間で飲みきり、考えずに楽しめる分かりやすさを重視するも良し、そのポテンシャルを信じ見事に開花することを祈って長期間熟成させるも良し、その楽しみ方には幅が持てるので(中途半端はやめた方がいいかも?)、とりあえず「3千円を切る価格帯」で売ってるのを見かけた場合は文句無くお薦めできそうです(その場合は通常のセントラル・コーストを選ぶ理由がなくなりそうですが…)。
(2010/01)