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非常に評価の高い2004年のマルチリアーノは、カベルネ・ソーヴィニヨン70%、カベルネ・フラン30%というブレンド比率で造られます。産地はイタリア中部のウンブリアにある「モンテッキオ」。樹齢の上昇とともに今後も更なる期待が持てそうな内容となっています。
全体を通じてカベルネ・フランの表情が良い塩梅で明確なアクセントとなっており、実際のセパージュ比率以上にカベルネ・フランらしさを感じますが、完全に熟していることもあってか青野菜のような未熟な風味はありません。非常に強く逞しいザラついたタンニンを大量に含有しているものの(2000年ほどではない)、体躯資質の滑らかさや際立つ瑞々しさ、そして思ったよりも控えめなアルコール(13.5%)などによって、難なくスルスル飲めてしまうとても有り難いスタイルに仕上がっています。
非常に濃密かつ強固なモダン・ワインであり、国際品種のカベルネ種で造られてはいるものの、実際の表情は「これぞイタリアの力!ウンブリアが持つポテンシャル!」といったような土着系の立ち振る舞いが主体となっているので、ポテンシャルは高くともやや一般向けとは言い難い系譜の表情なのかもしれません。しかしそれゆえ、モダンなイタリアワインが好きな人にはたまらない内容だとも言えるので、好みにピタリとハマれば群を抜く満足感が得られそうです。
ちなみに、このワインは2007年度のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2009/11)