- Good Quality -
長野県の善光寺で育てられているということが由来となって名付けられた葡萄「善光寺」。もともとは中国の古い葡萄「竜眼(リュウガン/ロンガン)」が起源となっているようです。
甲州を基準とすると色調はやや濃いめで、実際の中身もそれに応じた密度感と充実さが感じられます。同じシリーズの他のワインと同じように現代基準のクリーンさや構成力を持ち、そこにさらに善光寺特有の個性が組合わさっているので、全体としてはなかなか興味深い世界観だと言えます。
普段の食事とともに気軽に楽しんでもらいたい内容ではありますが(数日放置でも問題なし)、善光寺の持つ野性味が程よいアクセントになっており、大事なところは維持され必要以上に綺麗になりすぎていないのが好印象なので、こういった「現代技術で葡萄の個性を生かす」という方向性は積極的に歓迎したいところです。
そのスタイルを考えると万人向けというわけにはいきませんが、それでも構成要素としてはしっかり評価できるものを持っているので、キュヴェ・ドゥニ・デュブルデューとともにその世界観の差異を存分に楽しんでもらいたいところです。
(2009/10)