- Good Quality -
白ワインの醸造で有名なボルドー大学教授「ドゥニ・デュブルデュー」をコンサルタントに迎え、世界に向けて発売された初の日本産ワインであり(英国向けには「Shizen Cuvée Denis Dubourdieu」の名で出荷)、アジアで初めてパーカーポイントがついたワインでもあります。ちなみに、ラベルに描かれた書と画は日本画家の「千住博」によるものです。
シンプルでスッキリした細身の体躯ながら、歯切れの良さや甲州の持つ美点を明確に体現した姿には素直に好感が持てます。アタックは大人しめですが、黄色系の多様な柑橘類が織りなす酸味が存分に紡ぎだされていることもあり、フィニッシュにかけて加速度的に充実感が伝わってきます。まさに甲州のピュアさや奇麗で心地よい酸味にスポットを当てたようなスタイルなので、変に食事を邪魔するようなことはなく素直に楽しめると思います。
世界基準で通用するだけのクオリティを感じさせてくれますが、スタイルがシンプルなことと、もともと熟成させるタイプではないということから、抜栓後2~3日経過させると、なだらかに大人しくなってやや単調(端的に言うとレモン水的)になる傾向にあったので、フレッシュな魅力が楽しめるうちに飲んでしまう方が満足度は高くなるかもしれません。とはいえ、日本発の希少な「独自性ある良質なワイン」であることは確かなので、現時点における「日本の甲州」を体験するにはちょうど良いアイテムだと思います。まさに、メルシャンの「きいろ香」とともに「今飲むべき甲州ワイン」だと言えます。
(2008/01)