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2003年がファーストヴィンテージとなるスペシャル・キュヴェ「オミニ・フィデス」。生産量はわずか250ケース程度と限定的なものになっています。
偉大な作柄だった2005年のジゴンダスとの表情差が非常に明快で、ヒエラルキーとしての差以上に「ヴィンテージスタイルの差」の方がより色濃くなっています。本質的に兼ね備える「厳しさ」「忍耐」といった苦みや渋みを伴う強いタンニン力は同等の内容になっていますが、それらを肯定し、より綺麗に昇華するよう仕立てられた体躯のまろやかさや、より前面にに出る熟した果実の柔和さなどの方が印象的で、トータルバランスやマッチング力などの面からして、抜栓直後からより素直に楽しめる傾向にあります。
グラスの中にある姿とじっくり向き合えば、時間とともに真の厳めしさが表出する傾向にありますが、表面上はいたって愛想の良い姿でもてなしてくれるので、気軽に1杯飲むというスタンスの方が逆に好印象を受けるかもしれません(ある意味京都的!?)。何の問題なく今から存分に楽しめますが、真の表情、真のポテンシャル、真のエネルギー、それらすべてを引き出そうと思った場合は、数日かけてじっくり向き合うか、もしくはまだ数年〜の熟成が必要だと思います。
スタンダードなジゴンダスと比較するとやや割高な傾向にあるので、いきなりオミニ・フィデス単体を選択するのではなく、まずはスタンダードなジゴンダスを経験し、その後のステップアップ(世界観の拡張)として選択することをお勧めします。
(2009/10)