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やや閉じた印象もあったクロード・ドゥノジャンとは異なり、このサン・ヴェランは今からがまさに一番楽しめる、成長曲線の最も伸びのある部分を堪能出来そうです。
スッキリとした綺麗な表情で、酸や仄よい柑橘さ、ミネラル、コアにある柔らかい甘味など、すべてがキッチリ定位におさまり、魅力ある世界観を過不足なく披露してくれます。そしてなにより程よい「旨味」が感じられることもあって、心から素直に美味しい(旨い)と感じることが出来ます。こういった指向性を考えると、このワインの持つ美点や良質さは日本人であれば素直に享受できると思います。
感動するような素晴らしい世界が広がるわけでなく、あくまでも地に足の着いた現実的な内容ではありますが、眺めているだけで朗らかな気持ちになるキラキラした魅力と訴求力があり、力みなく持っているものをすべて出してくれることもあってか、今回の1本は気になるような点や更なる高みを求めたるなるような箇所がまったくありませんでした。全般的に価格がやや高めな傾向にありますが(とはいえドゥノジャンの造りを考えれば妥当?)、3千円ぐらいであればかなり高い満足感が得られると思うので、もし市場で見かけることがあれば是非一度試してみてもらいたいところです。
(2009/09)